ヒヨッコ・食生活

料理が好きだ。

お野菜を切る音、お肉を炒める音、魚の皮の弾ける音、香りで分かる残り時間。

お米が炊けた時の、やわらかい湯気の向こう。


就職をきっかけに1人暮らしをスタートさせ、自分の好きなものを好きなだけつくる生活に満足する日々。

身体がしんどい、キッチンに立つのが億劫だと気付いた頃には桜が既に散っていて、沖縄に梅雨が来ていた。


「ていねいな生活」というものが存在する。陶器の皿にちょこんと盛られたおかずたちとリネン生地の布団カバー、雨の音は心地いいし晴れた日の洗濯は心まで洗われるよう、というモノである。日常を慈しみ何気ない時間にも愛を見つけるという、そういう類の生活だ。声を大にして言いたい、そんなもんはぬか床で漬けちまえ!私には相当ハードルが高いものだった。インターネット、テレビのニュース、本屋にまで進出して来た「ていねいな生活(くらし)」の波。完全に飲まれていた。自分の作るご飯はなかなかに旨いが、洗い物が面倒な日なんて毎日だし一切手を動かしたくない日だってあるし朝起きた時から弁当のことを考えて憂鬱になる日もしょっちゅうだ。


それで良いのだ。

「惣菜買って来て米炊けば充分じゃん、美味しいじゃん。」


この一言にどれだけ救われたことか。電子レンジは素材の成分を破壊する?知るか。早くてあったまるなんて最高だ。惣菜は添加物が多い?だから何だ。その位の負担かゆくもないわ。コンビニは割高?何も出来ない日だってあるだろうが。


これは私の決意表明だ。

疲れた時は徹底的に手を抜いてやる。1週間惣菜を買い続ける覚悟だ。店員に顔と好みを把握されようと知ったことか。


手を抜いて、自分の心地よさを忘れずに生活すること。心が地に着いた状態を保つこと。地下に潜るようなストレスなら取り除いてしまえ。


今日はちょっとピーマンを刻んでみるか。そう思った時に頑張れば良いのだ。

1人暮らし、まだまだひよっこ

日常が修行である。