社会人は凄い
配属されて4週間目の火曜日。
私は今日、会社を休んだ。
限界だった。
退社してから、家に帰ってから、夜眠りにつく瞬間から、目覚ましの音で覚醒したそばから。要するに、職場にいる時以外常に仕事のことを考えていたんですね。
気が付いたら泣けなくなっていて、活字も追えないから本も読めない、胃に詰められるだけ詰め込んで絶望とともに眠る。
世の中にはブラック企業リストなんてものもあるそうですが、幸いなことに弊社は驚きの白さを誇っているためこれはそういう問題ではない。
ただ、私の性格の問題で。
たったひとつのわずかな指摘ですら100倍にして捉えてしまう。彼女の目つきが、言葉の選び方が、彼らの語尾が、わずかな間が、そういうものが須らく「使えないなコイツ」と告げてくる気がした。
何をしていてもガタついて、ああいつもの不安定な波が来たなと何となく流していたらそうじゃなかったらしい。
化粧しながら、窓の向こうの空を見てダメだと思った。当日の欠勤連絡にも対応してくれる部署。大丈夫と声をかけてくれる人。そういう場所だからこそ、弱音を吐くべきではないと思った。新卒だからこそとにかく頑張らねばと思った。
勝手に張り切って勝手にキャパオーバーして、電話を切った瞬間情けなさに涙が止まらなくなった。
やっと泣けたと自覚したら余計に出てくるのが不思議なもので、おかげで両目はパンパンである。
仕事に対してどう向き合えばいいのか、どんな考えのもと働けばいいのかまだ分からない。ただ、私は生きていくために働かねばならない。自分の食い扶持を自分で稼ぐためという、とにかく今はそれしかない。
だから、また、頑張る。
社会人になるのは余裕だった。
けれど、社会人として生きてゆくのはとても難しい。
みんな、こんな思いを抱えているのかしら。
それならもうちょっと頑張れる。