Air

珈琲とチョコ、大福と煎茶。

「空港まで」「飛行機にのられますか」「はい」「何時でしょう」「あー、16:45までに着ければ大丈夫」「余裕ですね」「よろしくお願いします」


着いたら16:05 お気をつけてとドライバーさん ふくれたお腹とくるしいベルト 流行りのメイクをしたけれど 家族は好きでも地元は嫌い 他人が怖い周りが怖い 周辺機器に問題はなくて私本体にバグがある 見て見ぬふり もう社会人なんだから 自立と独立 眠りたい 料理もお風呂も掃除も洗濯もぜんぶ億劫 眠るのだけはだいじょうぶ 

To jobs that pay the rent.

生活の為の仕事で良い。


世の中には好きなことを仕事にしている人間が一定数存在するけれど、私はその層には上がれないと早々に判断した5月が終わった。


先日の部長面談で「上京してまでウチに就職した理由を聞いてオッ良いなと思ったよ。それを話さなかったところも良い。頑張って。」と言われたけれど如何なものか。幼稚園の頃から自分が行くべきところに文句を言ってダダをこねる子どもだった。今だってそう。やってくる1週間を思って鬱々としている。働くことが苦であるというよりも、自分の目的意識が曖昧なこと/環境に慣れていないことが私を暗くさせているのだろうな。


環境に慣れるのに3年はかかる。これは経験値だからまちがいない。問題は目的意識である。結果を残すとか、昇進したいとか、大きな額を動かしたいとか、好きな自分になりたいとか、そういうのは置いといて。いちばん現実的で定めやすい目標。生活するため。働かないと食事もガスも家賃も水道も、娯楽だってままならない。


生活のための仕事で良い。

家賃のための仕事という意識で、今はじゅうぶん。

だって、私は頑張っている。

自分で自分を褒めてやらないと崩れてしまう。もう22なんだから、自分のご機嫌くらいとってあげる。作業用BGMはアニメが良いし、ゲームは好きなだけして良いし、好きな服を着て働く自分に酔っていい。帰省のための飛行機だって、当日最安値でもしっかり払うことが出来る。

だから働く。

私は私を肯定し続けて、良くするために生きるのだ。




牛ももしゃぶしゃぶ用3割引

火曜が終わる。

週明けの月曜、折り返しの水曜、あと一踏ん張りの木曜、ナチュラルハイの金曜。


特にこれといった特徴もない、わたしが1番苦手な火曜。

七曜の中でぜったい浮いてるでしょお前。


特に忙しいわけでもない月末は、打って暇して取って暇して上げて聞いて計算して暇して打って打って打っての繰り返しだった。

デスクで、やる事がなく(できる事がまだ少ないので)座っていると段々とかなしい気持ちになってくる。エクセルで自分なりにマニュアルをまとめたりする。郵便を見にいったりもする。その内に、頭の中でゾゾタウンのカートに入れてるワンピースだったり欲しい化粧品だったり次の帰省について考え始める。飛行機取るなら早めがいいよなあ、有給申請して、うーん、あのワンピースどうしようかなあ、ていうかゾゾタウン使ったことないんだよな、でも絶対可愛いよなあ、あのCCクリームいい加減買おうかなあ。

オフィスの中でそんなことを考えてるもんだから次第に家に帰りたくなる。


『でもやっぱり、帰ってゲームがしたいし何もせず横にもなりたい。』


ほんのり危険な思考回路は、じんわり私を暗くする。17:30になると同時にそろそろと退社、ふらりとスーパーに寄ってみた。


自炊はしないぞと決めたものの牛肉が安くなっていて思わずカゴへ、帰ってからピーマンと玉ねぎでジュワーとする。

美味しかったなあ。

お肉は元気が出ていいね。

明日は1週間の折り返し地点。

5月も終わる。




ヒヨッコ・食生活

料理が好きだ。

お野菜を切る音、お肉を炒める音、魚の皮の弾ける音、香りで分かる残り時間。

お米が炊けた時の、やわらかい湯気の向こう。


就職をきっかけに1人暮らしをスタートさせ、自分の好きなものを好きなだけつくる生活に満足する日々。

身体がしんどい、キッチンに立つのが億劫だと気付いた頃には桜が既に散っていて、沖縄に梅雨が来ていた。


「ていねいな生活」というものが存在する。陶器の皿にちょこんと盛られたおかずたちとリネン生地の布団カバー、雨の音は心地いいし晴れた日の洗濯は心まで洗われるよう、というモノである。日常を慈しみ何気ない時間にも愛を見つけるという、そういう類の生活だ。声を大にして言いたい、そんなもんはぬか床で漬けちまえ!私には相当ハードルが高いものだった。インターネット、テレビのニュース、本屋にまで進出して来た「ていねいな生活(くらし)」の波。完全に飲まれていた。自分の作るご飯はなかなかに旨いが、洗い物が面倒な日なんて毎日だし一切手を動かしたくない日だってあるし朝起きた時から弁当のことを考えて憂鬱になる日もしょっちゅうだ。


それで良いのだ。

「惣菜買って来て米炊けば充分じゃん、美味しいじゃん。」


この一言にどれだけ救われたことか。電子レンジは素材の成分を破壊する?知るか。早くてあったまるなんて最高だ。惣菜は添加物が多い?だから何だ。その位の負担かゆくもないわ。コンビニは割高?何も出来ない日だってあるだろうが。


これは私の決意表明だ。

疲れた時は徹底的に手を抜いてやる。1週間惣菜を買い続ける覚悟だ。店員に顔と好みを把握されようと知ったことか。


手を抜いて、自分の心地よさを忘れずに生活すること。心が地に着いた状態を保つこと。地下に潜るようなストレスなら取り除いてしまえ。


今日はちょっとピーマンを刻んでみるか。そう思った時に頑張れば良いのだ。

1人暮らし、まだまだひよっこ

日常が修行である。


社会人は凄い

配属されて4週間目の火曜日。

私は今日、会社を休んだ。

限界だった。


退社してから、家に帰ってから、夜眠りにつく瞬間から、目覚ましの音で覚醒したそばから。要するに、職場にいる時以外常に仕事のことを考えていたんですね。


気が付いたら泣けなくなっていて、活字も追えないから本も読めない、胃に詰められるだけ詰め込んで絶望とともに眠る。 

世の中にはブラック企業リストなんてものもあるそうですが、幸いなことに弊社は驚きの白さを誇っているためこれはそういう問題ではない。


ただ、私の性格の問題で。

たったひとつのわずかな指摘ですら100倍にして捉えてしまう。彼女の目つきが、言葉の選び方が、彼らの語尾が、わずかな間が、そういうものが須らく「使えないなコイツ」と告げてくる気がした。

何をしていてもガタついて、ああいつもの不安定な波が来たなと何となく流していたらそうじゃなかったらしい。



化粧しながら、窓の向こうの空を見てダメだと思った。当日の欠勤連絡にも対応してくれる部署。大丈夫と声をかけてくれる人。そういう場所だからこそ、弱音を吐くべきではないと思った。新卒だからこそとにかく頑張らねばと思った。

勝手に張り切って勝手にキャパオーバーして、電話を切った瞬間情けなさに涙が止まらなくなった。


やっと泣けたと自覚したら余計に出てくるのが不思議なもので、おかげで両目はパンパンである。


仕事に対してどう向き合えばいいのか、どんな考えのもと働けばいいのかまだ分からない。ただ、私は生きていくために働かねばならない。自分の食い扶持を自分で稼ぐためという、とにかく今はそれしかない。


だから、また、頑張る。

社会人になるのは余裕だった。

けれど、社会人として生きてゆくのはとても難しい。


みんな、こんな思いを抱えているのかしら。 

それならもうちょっと頑張れる。